「先生と僕」坂木司 読書中・・・

読書開始。2011.12.08昼。

伊藤二葉
主人公。人が死ぬ小説は読めない極端な怖がり屋が、押しに極端に弱いせいでなんの因果か大学の推理小説研究会(推研)に入って・・・。見たものを写真のように記憶できる特技がある。ついつい悪い方に妄想してしまうクセもある。
推理小説研究会
S大のミス研。主人公が入部。あまりオタクっぽくはなく、ミステリを読まない部員も多い。文芸部みたいなもの。
瀬川隼人
二葉に偽の家庭教師を頼んできたデキのいい、読書好きの中学生。見た目はアイドル並みらしい。探偵役かしら?とりあえず二葉が勉強を教え、隼人が二葉にミステリのことを教えるという契約になった。そのかわり家庭教師代は通常の半額(二葉のほうからそうしてもらった)。
山田
二葉を推理小説研究会にひきずりこんだ、大学に入って最初にできた友人。

「古寺発掘」中村眞一郎 読書中・・・

[出だし]
これから一年間、毎月、寺めぐりをすることになったが、第一回は新年であるから、なるべく明るくめでたい寺からはじめようとして、京都のこ大雲寺(左京区岩倉上蔵町)を選んだ。

[経緯]
昼休みに「マンハッタン自殺未遂常習犯」を読んでいるが、あれはアタマが疲れているとしんどいのでラクに読めるのも一冊持ってきた。
中村眞一郎さんの著作の中でまだ読んでいない数少ない本。

[内容]
雑誌「旅」で中村さんが毎月ひとつの寺を訪ねるという連載だったようだ。
選ばれている寺は以下のとおり。

[感想]

「マンハッタン自殺未遂常習犯」草間彌生 読書中・・・

 
[出だし]
窓の外、あの雄猫 凍え死んでいるのかなあ。

[ラスト]
虚のはざまに立って、いまは私より遥かにつよい眼差しを投げる妖精!

[経緯]
出たときに買って、そのとき最初の数十ページを読んで、それっきりになってた。
大掃除の準備してたら出てきた。
もう一度読み始めてみよう。

[内容」
とりあえず感じたこと。これは詩だなあ。全編。
いや、ただ氾濫するイメージでしかない、か。
ただ散らばっている。
言葉の間に整合性はない?
数ページ飛ばして読んでみると、なにがなんやらわからなくなる。これでもやはりなんらかのつながりはあるとは思われる。
このままの調子でずっと行かれるとかなり憔悴しそうな気がする。感覚を共有できるか?
まあ、少しずつ「まとも」になってはいくのだけれど。

[感想]
思春期のkoro、文学少年たちは一度はこんな文章を書く。そして自分って天才じゃないんだろうかと酔う。
なにがなんやらわからなければわからないほど才能だ。
しかししだいにふつうになっていく。じつはふつうだからこの手の無理は疲れてくるのだ。

これを読んでいるとボクの想像力も跳ねまわってくるのだけど、出てくるモノは草間さんとは異なる。この本はタガをはずすキッカケになってくれるんだろう。

芸術こえて、いつも、無謀でいたい。(p.35)

「獣の奏者 外伝 刹那」読書中・・・

今朝の電車の中から読み始めたので、まだほとんど。

イアル
もうひとりの主人公。堅き楯を辞した後エリンの夫になる。「そうか、と思った。/そうか、おれは死んでいたのだ。」(p.66)。エリンとはお互いに結ばれてはいけないと考えつつどうすることもできなかった。そして互いに食い込んでしまった互いの存在に慄然とする。
エサル
カザルム学舎のトップを長く続けている女性。エリンの学問の師であり、親代わりでもある。厳しくも優しい。この巻後半の作品「秘め事」では主人公。
エリン
全編の主人公。「ああいう生い立ちの子だから、あとのことより、いつも、そのとき、そのときが大切に思えるんでしょうね」(byエサルp.74)。多くのものを失いすぎて、「今」を失ったら二度と手に入らないかもしれないという意識がどこかにあるのだろう。そして明晰でありすぎることが彼女自身を苦しめる。
カザルム
エサルが初めて来た頃は王獣の終末期医療の場だった。予算は少なかったが指導者たちはおだやかで、王獣に安らかな余生を送らせようと努力していた。
キィノ
イアルの妹。ミカルマ=サッカラ木材店の大番頭に嫁いだ。兄のことは名前くらいしか覚えていない。
孤独
エリンとイアルの夫婦はどちらも存在自体が悲しい。孤独な存在が出会って孤独ではなくなる。そのへんはデイヴィッド・アーモンドの作品に似ているが、こちらの二人は孤独でなくなり幸せになっても常に不安を抱き続ける。あまりにも切実に互いを必要としすぎているかもしれない。いつかかたわれを失いふたたび孤独になるのではないかという不安。そしてそれはおそらく杞憂ではなくたしかにいつでも起こりえるものなのだ。
タムユアン
学問の府。エサルがジョウンやユアンと出会った。
内容
登場人物たちの過去編。コイバナなんからしい。最初の「刹那」はエリンとイアルが結ばれる互いの喜ばしさと不安、妊娠・出産の恐れと、その瞬間まで。
ホクリ師
引退した教導師。知識は覚えこんでいくようなものではなく、それぞれのつながりを知っていくことが重要だとエサルに教えてくれた。ゆえにフィールドワーク、そして観察を重視する。それは保守的な学者たちからは嫌われることではあった。
マキオリ
エサルの父親が産物として研究している紅色の花を咲かせる植物。高価な薬草になる。エサルは当初父の研究するマキオリの品種改良を手伝うという名目で学問の道に進んだ。
ミカリ
エサルの妹。女性らしい女性だったのでエサルは自分のしたいこと(学問の道)をするため総領娘の立場を譲った。
薬草畑
カザルム学舎の小さな薬草畑に植えられている植物の大半はエサルが薬効を見つけたものだった。彼女の半生と言っても過言ではない。
ヤントク
よく覚えていないがイアルの幼馴染って感じ?
ユアン
エサルとジョウンの友人。上流階級向け医師の息子。二人もかなわない秀才だが、常にさりげなくやさしい男。エサルが唯一愛した男。そうかぁ、エサルが愛したのはジョウンではなかったんや。
ラザル
王獣飼育の場。働く者たちは高給取りだが、ミスにより王獣が死んだりしたら自分自身の首も飛ぶ(たとえでなく)ので、保身だけを考えて汲々としていた。ここで、もう助からないと考えられた王家者はカザルムに送られた。